ヒノキオールって何?
木造建築で家を建てる際にヒノキを用いることが増えています。
ヒノキは建材として、耐衝撃性・耐火性が高く、非常に優れているといえます。
実際に世界に誇れる日本の寺社仏閣の木造建築はヒノキでできたものが多く、大昔に建てられた木造建築が今でも美しい景観を保っており、外国からの観光客を魅了してやみません。
しかし、もう一つヒノキならではの特徴として忘れてはならないものがあります。
それはヒノキ独特の香りです。昔から日本では、香りがよく、ストレス軽減作用のある高級な木材としてヒノキが利用されてきました。
どこか庶民的なやわらかな匂いのするスギと異なり、ヒノキはどこか気品のある匂いがあるのが特徴です。
このヒノキの独特な香りの正体の一つがヒノキオールです。
ヒノキオールは木々が出すフィトンチッドの一種で、桧に含まれる天然成分で香りを嗅いだ時にヒノキ独特の香りを出す成分です。
その桧に含まれる天然成分ヒノキオールの効果は主に3つあります。
1つ目は、その防虫効果です。
ヒノキオールは揮発性のある油であることで香りを嗅いだ時に人間にとっては独特の良い香りとして感じますが、その香りは虫にとっては刺激臭に近いため夏場に光に向って集まる虫や白アリやスズメ蜂などの害虫を寄せ付けない効果を発揮します。
実際にある地域の家の改修工事をする際にあまりの家はすべて内部がシロアリに侵食されている中、ヒノキでできた家だけが害虫被害が全くなく、内部が美しいままだったという事例も報告されているほどです。
2つ目はヒノキオールの抗菌作用です。
ヒノキオールは揮発性のある油でるため、常にヒノキの中ではヒノキオールを作り出して内部を循環しています。
ヒノキオールを木々の中で循環させることによって、ヒノキにとって自身の生命を脅かす存在である空気中のカビの菌が付着した時に油でコーティングすることによって無害化させるのです。
その効果を家に取り入れると、日本は湿度の高い夏が特徴でカビが生えやすいためヒノキオールの効果によって室内全体が抗菌作用を持つことになります。
そして、3つ目がヒノキのストレス軽減作用です。
ヒノキ独特の匂いの正体であるヒノキオールは、嗅いだ人の心をリラックスさせてくれる効果があります。
ヒノキを用いた動物実権ではヒノキを嗅がせたマウスは、嗅いでいないマウスに比べて、運動量が低下し、ストレスに対しての耐性も強くなったという結果も報告されています。