自然素材を使った家作り〜羊毛断熱材〜
断熱材とはそもそもどういったものなのでしょうか?
断熱材はその内部の空洞に気体を固定することで熱伝達効率を下げ、熱を伝えにくくしたものです。
大きくは繊維の中に空気を閉じ込めた繊維系断熱材と、構造内に独立した小胞空洞をもつ発砲系断熱材に分けられます。
このように断熱材は内部構から大きく2種類に分けられますが、今回ご紹介するのは、その中でも繊維系断熱材に分類される羊毛断熱材です。
羊毛断熱材はその名の通り羊毛でできた断熱材であり、構造内に無数の細かい空洞を持ちます。
羊毛断熱材は天然の素材を利用した断熱材であり、環境や身体に優しい建材として多くの人に親しまれています。
では具体的にそういった特徴があるのでしょうか?
・調湿性(吸放湿性)に優れている
羊毛の特徴のひとつに吸放湿性に優れている点があります。
湿度の高い時には湿気を吸い、逆に乾燥している時は羊毛内にため込んだ湿気を放出して快適な湿度を保ってくれます。
・断熱性能に優れている
羊毛断熱材は繊維系断熱材の中でも、原料として利用する羊毛自体が縮れているため、内部に保有する空気が非常に多く、断熱作用に優れています。
冬は暖かく、夏は涼しい羊毛断熱材は省エネ基準の家に比べて、暖房費を60%節約することができ、CO2排出量も45%削減できるというデータも出ています。
・シックハウスの原因にならない
シックハウスの原因のひとつであるホルムアルデヒドを含んでいないのでシックハウス症候群になる心配がありません。
逆に繊維自体が有害な化学物質を吸着してくれるため、室内の空気を清浄化してくれる作用もあります。
自然素材という事で、建築基準法に基づくシックハウス対策の規制対象外品とされています。
・弾力性に優れ水濡れにも強い
長年の間、家には様々なことが起こります。
集中豪雨によって浸水したりすることもそのひとつですが、羊毛断熱材の内部は調湿機能がありますが表面は水をはじく撥水機能もあります。
たとえ一度濡れてしまっても乾燥させればそのまま使う事もでき、弾力性もあるので長年のうち壁の中で滑り落ちてしまうという事もありません。
・コストが掛かる
という少し困った点もあります。
それはお値段が一般的な断熱材と比べて少々お高いという事です。
自然素材を使おうという人ばかりではないので流通がそれほど多くない事も一つの原因です。
しかし、それを補ってなお余りあるメリットです。
自然素材を使った家づくりをお考えの方は一度ご検討されてはいかがでしょうか。